今回から、３回にわたって入れ歯についてお話ししていこうと思います。

まず、（１）入れ歯を入れることの大切さ　からです。

それは当たり前と思っている方も多いでしょうが、せっかく作っても使っていない方が多いのも事実です。噛めない、異物感が強いなど、原因はさまざまでしょう。インプラント、ブリッジなど治療法はさまざまありますが、入れ歯は、異物感など個人差・個体差の非常に大きく出やすい治療法かもしれません。他の方法で対応できればよいかもしれませんが、その方によっては、入れ歯でしか対応できない場合もあります。

入れ歯は、ただ歯のない部分を補うわけではありません。残っている歯を生かす方法でもあるのです。

入れ歯を入れなければ、残っている歯に負担がかかります。また、歯は歯のないほうへ傾斜・挺出する傾向があり、どんどん噛み合わせの状態が変わり悪化します。入れ歯を入れていない部分の歯茎はさらに瘦せ細ります（入れ歯を入れていても少しずつ痩せ細る傾向はありますが）。歯が全くない方も入れ歯は入れてください（これは後日お話ししたいと思います）。一部の例外を除いて、常に入れ歯は装着しておいてください。

それには、私たち歯科医師の綿密な診査・診断のもと、しっかりした入れ歯の設計が必要となるのです。入れ歯を作る際、できるだけ残っている歯に負担をかけない、歯と入れ歯が一体化するようなものを作ります。

そうすることによって、他にも様々なメリットが生まれてくるのです。それは、またの時にお話ししたいと思います。